(ストックホルム中央社)欧州歴訪中の蔡英文(さいえいぶん)総統は現地時間13日、デンマーク・コペンハーゲンで開かれた「コペンハーゲン民主主義サミット」で講演し、民主主義国家が挑戦に直面した際、強靭(きょうじん)性を構築することが生存の鍵だと訴えた。
同サミットは民主勢力の裾野拡大を目指して2018年から毎年開催されており、各国の政財界の要人や専門家、民主運動家らが参加する。蔡氏は20年から毎年、ビデオメッセージ形式で講演を行ってきたが、会場での登壇は初めて。
蔡氏は20分間の講演を行った。貿易の利益がリバランス(再均衡)され、安全保障上の責任が再分配される中で生じる可能性がある衝突に向き合う際、民主主義国家は確かに団結し、各自および集団の安全対応能力を効果的に守らなければならないと指摘。その上で、今この時、民主主義国家は新たな戦略によって国家の安全と経済の繁栄を確保する必要性に迫られているとし、強靭性構築の重要性を訴えた。
毎日のように中国の脅威や威嚇に直面する台湾を例に挙げ、台湾の人々は中国の度重なるサイバー攻撃やハッキング行為、軍事演習などによって恐怖に陥るのではなく、反対にこれらの挑戦を強靭性構築の基礎に変えてきたと紹介。この強靭性によって、台湾は権威主義体制による干渉から選挙を守り、新型コロナウイルス禍の挑戦を乗り越え、情報操作への警戒や素養を培うことができたとアピールした。
最後には、台湾は引き続き平和と安定の促進を渇望する全ての友人と共にあると述べ、国際社会と数十年来の経験と学びを分かち合うことで地域、ひいては世界が「自由と民主主義」という価値を守る能力と準備をさらに整えられるようにしていくことを望む姿勢を示した。