(台北中央社)議会第1党で最大野党の国民党と議会第3党の民衆党は22日、台北市内で党首会談を開いた。国民党の朱立倫(しゅりつりん)党主席(党首)は頼清徳(らいせいとく)総統の退陣を目指す方針を示し、倒閣(内閣不信任)運動や立法委員(国会議員)のリコール(解職請求)などの実施を排除しない姿勢を強調した。二大野党の党首会談を受け、与党・民進党は記者会見を開き、台湾に今必要なのは「野党の政治ショーではない」と批判した。
会談には朱氏と民衆党の黄国昌(こうこくしょう)党主席が出席し、米国の関税や国会改革、司法改革、リコール運動などについて話し合った。会談はインターネットで生配信された。
国民党の蒋万安(しょうばんあん)台北市長が先日、倒閣運動を進める考えを表明したことについて、黄氏は「倒閣では台湾を救えない。専制独裁の力を解決することもできない」と反対の立場を示し、頼総統の専制独裁を抑制する方法を真剣に考えるべきだと国民党に促した。
これに対して朱氏は、頼総統を改めさせるか退陣させるかすることが人々の最大の目標だと指摘。頼総統が自分では動かずにただ操り人形を入れ替えるだけでは意味がないとし、単に倒閣を叫ぶのではなく「頼降ろし」をするために、党として戦略的で着実に、時間をかけて進展させていくとの立場を示した。
朱氏は黄氏に対し、党が26日に総統府前のケタガラン(凱達格蘭)大道で予定している反民進党デモへの参加を呼びかけた。黄氏はこれに応じ、党の代表として出席すると述べた。
民進党で広報担当を務める韓瑩氏は記者会見で、「台湾に今必要なのは団結して外部の挑戦に対応することであり、野党の政治ショーではない」と批判。同じく広報担当の呉崢氏は、野党党首の会談で「これほど多くのデマが展開されたのは遺憾だ」と述べ、野党は団結を装って、実際には民進党の悪評を広めていると反発した。