(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は10日、行政、立法、司法、考試、監察の五院の院長を召集した国政会議を総統府で開いた。国内が団結することの必要性を訴え、今回の協議によって国内や国際社会に「外部の風雨や内部の争いにかかわらず、われわれは揺るがずに国家の大きな前進を推進していく」との明確なメッセージを伝えたいと述べた。
会議は冒頭のみ公開された。
頼総統はあいさつで、全世界における地政学的衝撃や産業構造の再構築、AI(人工知能)などの先端技術の急速な発展に触れ、いずれも国際情勢にとって重大な挑戦になっていると指摘。特に、台湾は中国の文攻武嚇(言葉で攻撃、武力で威嚇)や統一戦線の浸透の脅威に直面しているとした。その上で、これらの挑戦の下で「台湾は必ず団結しなければならない」と訴えた。
また、今回の会議の目的について「国家を団結させ、争いを解消し、問題解決の道を共に探る」とし、憲政機関が十分に機能を発揮し、一致団結して外部に向き合うことによってこそ、国内外の各種の挑戦を克服でき、台湾の次の黄金時代を切り開けると述べた。
台湾の内政を巡っては、野党が多数を占める立法院(国会)で与野党が激しく対立。野党主導で可決された法案や予算案に対して行政院(内閣)が再議(審議のやり直し)を求めるなど、政府と野党が応酬を繰り広げている。