(台北中央社)北部・新北市の国家人権博物館白色テロ景美記念園区に設置されている政治的迫害を受けた人を記す記念碑について、新たに約4千人の名前が追加され、24日に公開された。
記念碑は2015年に設置。当初は8079人の名前が記されていたが、今回3981人の名前が追加された。この日、李遠(りえん)文化部長(文化相)らが出席して開催された式典では、祖父が被害に遭った男性があいさつし、「今私たちが自由に生活できるのは、無数の先輩やエリートたちが重大な責任を負いながら前を向いて歩んだ結果だ」と語り、「もっと大切にするべきだ」と訴えた。
社会への不満を訴えたとして16歳で逮捕され、東部・台東県の緑島監獄などで7年間収監されていた男性は、「つらかったが、一緒に収監されていた人たちが兄のように世話をしてくれた。学歴はないが、多くのことを学んだ」と当時を振り返った。また後世が忘れられないよう歴史を刻んだ記念碑を設置した政府に感謝を示した。
人権博物館の洪世芳館長は中央社の取材に、記念碑には死刑を執行された人、行方不明になった人、有罪判決を受けたり、体や自由、財産、名誉を侵害されたりした人が記されていると説明。同碑には余白があり、今後の調査や研究を通じて名前の追加ができると語った。