(台北中央社)野党・国民党は26日、台北市の総統府前のケタガラン(凱達格蘭)大道で与党・民進党に抗議する大規模集会を開いた。朱立倫(しゅりつりん)党主席(党首)は頼清徳(らいせいとく)総統が就任2年目を迎える今年5月20日以降に立法院(国会)で頼総統のリコールを目指す方針を示し、支持者に協力を求めた。これに対し頼総統は、集会ができることは台湾が民主主義国家であることを十分に証明していると強調し、独裁的だと政権を批判する野党側をけん制した。
▽主催者発表で25万人以上が参加
集会には朱党主席の他、馬英九(ばえいきゅう)元総統、韓国瑜(かんこくゆ)立法院長(国会議長)、蒋万安(しょうばんあん)台北市長、野党・民衆党の黄国昌(こうこくしょう)党主席らが参加した。
会場に集まった支持者は時折雨が降る中、中華民国国旗や「民進党反対、独裁と戦おう」などと書かれた紙を掲げ、「頼清徳は退陣しろ」などのシュプレヒコールを上げたり、中華民国国旗歌を歌ったりした。主催者側は午後5時過ぎ、参加者が25万人を超えたと発表した。
朱党主席は、頼総統は就任後、野党の排除だけを考えていると批判。台湾各地でも人民の力で頼総統を退陣させなければならないと協力を呼びかけ、頼総統の退陣こそ人民の声だと語った。
▽頼総統、与野党の協調呼びかけ
頼総統は北部・基隆市で報道陣の取材に応じ、台湾には集会や言論の自由があるとした上で、「戒厳状態にはなく、独裁者もいない」と述べた。
また中国は台湾をのみ込もうとしており、与野党はいずれも中国の浸透工作の対象であると指摘。共同で中国共産党に対抗し、台湾と中華民国を守るべきだと呼びかけた。
総統副総統選挙罷免法では、立法委員(国会議員)の4分の1がリコール案を提出し、3分の2が賛成した場合、立法院はリコールの成立を宣言しなければならないと定めている。就任から1年未満はリコールの対象にならない。立法委員の議席数は113で、リコールの成立には29人によるリコール案提出、76人の賛成が必要となる。野党の議席数は現在62。