(ワシントン中央社)米中央情報局(CIA)のアナリストをかつて務めた中国問題の専門家、ピーター・マティス氏は24日、中国が台湾の総統の警備体制に関する詳細な情報をリアルタイムで把握できるようにしようとしているとの見方を明らかにした。米ワシントンのシンクタンク、グローバル台湾研究所(GTI)が主催した座談会で述べた。
マティス氏は、昨年撮影された衛星写真で、中国が内モンゴル自治区の訓練場で台湾の総統府周辺の博愛特区の情景を模していたと見られることが分かったと紹介。国の指導者は戦時下で重要性を有するとし、中国のこれらの行動は意図的であるのが明白であり、目的は台湾の総統の警備に関する詳細をリアルタイムで把握できるようにすることにあると指摘した。
また、台湾のインターネットに対する中国の浸透については、米国の重要インフラ施設やグアムなどで活動するハッカー組織が、今は台湾のネットでも活発に動いていることが分かっていると説明。台湾の政治上のインフラ施設にこれらのハッカー組織が攻撃を行っているかどうかにする報道が少ないことに対し懸念を示した。また、「中国がどこまで浸透しているのか」に関しての認識が台湾内部で不足している可能性についても憂慮を示し、「このような状況下で、本当にあなたを傷つけるのは、往々にしてあなたが知らない部分だ」と話した。
中国の国家安全部や人民解放軍が台湾に対して浸透を図るターゲットと手法も拡張し続けていると指摘。退職した元官僚に貿易会社を設立させて資金を提供するという従来のやり方にとどまらず、現在は貸金機関を通じて経済的に困窮している軍人を見つけ出し、狙いを定めていると紹介した。