(台北中央社)立法院院会(国会本会議)で20日に審議される公職人員選挙罷免法改正案など3法案を巡り、可決を目指す野党・国民党に抗議する集会が18日夜、台北市の国民党本部前で開かれた。主催者発表では約6000人が集結した。市警察局は警察官20人を配置し、周辺の秩序維持と交通安全の確保に当たった。
同党は16日の立法院内政委員会で与党・民進党の立法委員(国会議員)を排除し、公職者のリコール(解職請求)成立要件を厳しくする内容を盛り込んだ公職人員選挙罷免法改正案を強行採決した。立法院は現在、国民党が議席数で与党・民進党を上回り、“ねじれ”が生じている。国民党は20日の審議でも強行採決を図るとみられている。市民が抗議する法案は公職人員選挙罷免法改正案の他、違憲審査における表決のハードルを引き上げる憲法訴訟法改正案の2法案で、いずれも国民党議員が提案した。
主催団体の一つ、台湾経済民主連合のシンクタンク座長を務める頼中強氏は国民党立法院党団(議員団)の傅崐萁(ふこんき)総召(院内総務)について、台湾の民主主義を傷つける「六つの罪」があると非難。「台湾が直面する内政の苦境は一般の民主主義国家によく見られる行政と立法の行き詰まりではない」と強調し、「民主化後の保守権威主義の逆流であるだけでなく、中国のローカル協力者である傅氏のグループによる台湾の民主主義体制への攻撃だ」と訴えた。
頼氏が挙げる傅氏の罪は、政府人事のまひ▽国家財政の横領▽台湾民選政府からの行政権剥奪▽憲法訴訟法改正と違憲審査のまひ▽公職人員選挙罷免法改正によるリコール署名への難癖、リコール成立のハードル引き上げ、解職請求権剥奪▽国会合議制の民主憲政秩序の破壊―の六つ。
集会で市民は「傅氏の六大罪状を訴えて倒す」「台湾のレバノン化を拒否する」などのスローガンを叫び、複数の国民党所属立法委員の解職を訴えた。
国民党青年軍は抗議する市民に対抗し、党本部前にスクリーンと大音量のスピーカーを設置。「民進党求官求職博覧大会」などの文言をあしらったブタの形のバルーンも配置し、反撃した。