(台北中央社)郭智輝(かくちき)経済部長(経済相)は24日、半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の工場がある熊本県を訪問し、同工場を視察した他、熊本県庁で同県の木村敬知事と面会した。TSMC進出による交通問題や人材問題の解決に台日が協力して取り組んでいく方針を示し、県内でのサイエンスパークの設置についても触れた。郭氏の日本訪問は今年5月の就任以来、3回目。
郭氏は木村氏との面会後に報道陣の取材に応じ、台湾のサプライチェーン(供給網)が日本に進出するのを支援するため、経済部(経済省)として九州にサービス拠点を設けることを計画していると言及。設置箇所については具体的な確約はできないものの、熊本県内になる可能性が約9割だとの見方を示した。
また同県にサイエンスパークができる可能性は相当高いと言及。台湾のサイエンスパークを例にすると用地がとても広く、熊本で一度に300ヘクタールの土地開発をするのは現時点では困難だが、30、50ヘクタールと段階的に拡大していけば、台湾と同じようなサイエンスパークにしていくのも可能だと話した。報道陣からサイエンスパークの設置時期について問われると、日本側が示す条件によるとした上で、経済部としてはできるだけ早くこの計画を進めたいと答えた。
木村氏は、TSMC工場周辺などの渋滞は3~5年かけて改善するとの計画を示した。日台での人材育成協力の促進に向け、熊本や九州の大学生が台湾で短期留学したり、研修を受けたりすることなどについて話し合っていく予定だとした。