(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は8日、台北市で開かれた2024年上半期に新たに昇進した陸海空軍の将校を激励する国防部(国防省)主催の式典に出席し、中華民国(台湾)と中華人民共和国は互いに隷属せず、主権を堅持して侵犯と併合を容認しないとの立場を改めて強調した。
頼総統は、ここ数年中国は台湾に対して絶えず「文攻武嚇」(言葉で攻撃、武力で威嚇)しており、予告なしに台湾海峡周辺で大規模軍事演習を行い、地域に不安定をもたらす影響があると指摘した。
また台湾は責任ある国際社会の一員として、卑屈になることも傲慢(ごうまん)になることもなく、現状を維持し、地域の平和と安定を守ることに尽力すると力説。自由と民主主義の体制や中華民国台湾の前途は台湾に暮らす2350万人が決めることなどを堅持するとした。
その上で政府は国防改革を推進し、4カ月だった義務兵役期間を1年に延長したり、艦艇や航空機を自主開発する自主国防と武器購入を並行して進めたりし、武器や装備を充実させていると説明。7月に行った軍事演習「漢光40号」でこれらの検証を行ったとし、政府の目的は鋼鉄の部隊を作り、実力で国家の存続と発展を確保し、人民の命と財産を守ることだと意欲を示した。
頼総統は、人工知能(AI)の時代には無人化したスマート型分散指揮統制や複数の部隊を統合させた攻撃の構造「キルチェーン」などについて、今後強化する必要があるとし、国軍は時代に合わせて前進することで堅実な戦力を構築できると語った。