(台北中央社)米誌タイム(電子版)は13日、頼清徳(らいせいとく)総統のインタビューを掲載した。頼氏は台湾の半導体企業の「脱中国」について、半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)を含む半導体企業が会社の利益や発展を考慮した上で米国や日本、欧州、その他の国家に拠点を設けるとすれば、「基本的に政府は(企業の決定を)尊重する」と述べた。
頼氏は、台湾の半導体企業が米国に拠点を移して中国から撤退することで、衝突のリスクが高まると考えるかと聞かれた。これに対して頼氏は、台湾はIC(集積回路)の設計やウエハー製造、パッケージングとテストの工程を担っているものの、部品や設備、技術は米国や日本、オランダに分散していると言及。その上で、地政学的な変化は半導体企業の分散化に影響を与え続けるとし、世界的なサプライチェーン(供給網)の再構築がいかなる単一の国にも特定されないことを考慮すれば、半導体企業の中国離れが衝突のリスクを高めるとは思わないとの考えを示した。
また、5月20日の就任演説で両岸(台湾と中国)は互いに隷属しないと発言したことについては「挑発の意図はない」と説明。発言の内容は事実であり、蔡英文(さいえいぶん)前総統や馬英九(ばえいきゅう)元総統も在任中に同様の発言をしていたと指摘し、発言の目的は台湾の人々を団結させることにあったと語った。
(編集:名切千絵)