(花蓮中央社)蕭美琴(しょうびきん)副総統は9日、東部・花蓮県の観光振興を目的に同県を訪問中の在台日本人グループと面会し、感謝を伝えた。同県は4月に東部海域で発生した地震で被災した地域で、蕭氏が10年ほど暮らした場所でもある。
台湾に住む日本人ら約40人による「在台日本人花蓮応援団」は8、9両日の日程で同県を訪問。日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(大使に相当)も自費で参加している。
蕭氏はあいさつで、台日の間には非常に厚い友情があり、苦難があった際には互いの人々の間にさらに深い感情が生まれると言及。日本で地震があれば台湾はいつも真っ先に関心を寄せているとした上で、4月の地震の際には日本の政府や人々が寄付や関心を寄せてくれ、さらに今回は花蓮訪問という具体的な行動で観光の復興に呼応してくれたと述べた。
また蕭氏は報道陣の取材に応じ、同県の景勝地、タロコ(太魯閣)国家公園は修復までに時間が必要なものの、花蓮にはほかにも観光できる場所が多くあると話した。
面会は日本統治時代に建設された旧日本軍宿舎を活用した文化施設「松園別館」で行われた。同施設の関係者は中央社の取材に応じ、地震の前は1日当たり少なくとも300人の来館があったが、地震後は平均で30人ほどしかおらず、来館者が一人もいなかった日もあると吐露。スタッフらは皆どのように営業を続けるか心配しているとし、少しずつ回復できればと願った。