(台北中央社)来年1月13日投開票の総統選に立候補している第2野党・民衆党の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長は27日に配信されたポッドキャスト番組のインタビューで、国交を結ぶ国の数は「ゼロになってもいい」との考えを示した。外交部(外務省)の劉永健(りゅうえいけん)報道官は28日の定例記者会見で、柯氏の発言は国交を結ぶ国の感情を傷付け、誤解を招く恐れがあると強調した。
柯氏は軍事や外交について扱うポッドキャスト番組「軍事相対論」に出演。総統に当選した場合、いかにして外交関係をつなぎ留めていくのかとの質問に対し、「国交樹立国とは幻想。成り行きに任せればいい」と述べ、国交を結ぶ国の数は気にしない考えを表明した。その上で「国交を結ぶ国がゼロになってもいいのか」と聞かれると「そうだ。私の態度はそうだ」と答え、外交関係は有さないものの良好な関係を保っている米国や日本を例に、国交を結ぶ国の数よりも、実質的な関係を重視する立場を示した。
劉氏は、国交を結ぶ国々は長年、台湾の国際機関参加を支援し、国際社会において台湾を支持する発言を行ってきたと紹介。台湾にとっては非常に重要だとし、これらの国々が示してきた道徳や勇気、応援に心から感謝を表明した。また、柯氏の発言は人々に歓迎されるものではないと信じていると述べた。