(ニューヨーク中央社)第78回国連総会の一般討論演説2日目の20日、中華民国(台湾)と外交関係を有するエスワティニとマーシャル諸島が国連に対し、台湾を受け入れるよう求めた。マーシャル諸島のカブア大統領は、中国代表権を巡る2758号決議(アルバニア決議)に関する誤った解釈が国連に長年はびこっていることに触れ、「この時代遅れの信条を歴史の地下墓地に葬るべきだ」と訴えた。
1971年の国連総会で採択された2758号決議は国連における中華人民共和国の中国代表権を認めたもの。国連は同決議を理由に台湾を国連システムから排除している。外交部(外務省)は、決議は中国代表権を決めただけであり、台湾を中華人民共和国の一部だとは言及しておらず、国連システムで台湾の人々を代表する権利を中華人民共和国に与えてはいないと主張し、国連参加を目指している。
カブア氏は、国連には「明白な亀裂」があると指摘。台湾の2300万人が国連専門機関に有意義に参加しない限り、「国連は決して一体的で完全にはなり得ない」と言明した。また、国連の官僚は2758号決議の誤った解釈に長年固執し、政治的影響を受けた結論を用いて台湾とその活力ある民主主義とのいかなる明確な往来をも排除していると批判し、「現在の状況の現実を認める勇気を持つ必要がある」と主張した。
エスワティニの国王ムスワティ3世は発言の終盤、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に触れた際、目標を成功裏に達成するには「台湾の受け入れは不可欠な次の一歩」だとし、国連システムに台湾を参加させるよう求めた。
台湾と国交を有する国で、一般討論演説2日目までに演説を済ませたグアテマラ、パラグアイ、パラオ、エスワティニ、マーシャル諸島の5カ国はいずれも台湾の国連参加を支持する発言をした。3日目にはナウルが登壇する。