(ワシントン中央社)来年1月に行われる総統選で最大野党・国民党の公認候補として出馬する予定の侯友宜(こうゆうぎ)新北市長は18日、米ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所で講演し、抑止力(Deterrence)と対話(Dialogue)、緊張緩和(De-escalation)を通じて両岸(台湾と中国)問題の平和的解決を目指す「3D戦略」を初めて提唱した。中華民国(台湾)の主権と地位を守ることを基礎として両岸の平和と安定を構築し、インド太平洋地域の安定維持を促すとした。
侯氏は抑止力について、台湾は必ず自己防衛力を向上させるべきだと強調。革新的思考と各リソースを組み合わせ、戦争に備えて戦争を起こさないようにするとした上で、相手(中国)に軍事上楽観視させず、軽率に開戦させないようにすると語った。
対話については、中華民国憲法と両岸間の交流について定めた「両岸人民関係条例」にのっとり、国民党政権時代の成功経験を基に、引き続き意思疎通と交流を行うと述べた。
緊張緩和に関しては、原則のあるやりとりの関係を構築し、平等や善意、尊厳を前提に交流を行い、理解を増進し、平和を維持するとの方針を示した。
また「現状維持」が台湾の主流の意見だとしながらも、現状は「動きのあるバランス」が保たれている状態だと指摘。民進党政権の現状は台湾海峡の絶妙なバランスを打ち壊す「新たな現状」であり、衝突に向けて進み、台湾を戦争の淵に追いやろうとしていると批判した。