(金門中央社)鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏は30日、離島・金門の宗教行事で頼清徳(らいせいとく)副総統に自身が考案した「平和宣言」を手渡した。両岸(台湾と中国)間の平和を目指して中国との交渉を進めるべきという主張で、そのための場を金門に設けるとしている。
中国に程近い場所にある金門。この日の行事には郭氏や頼副総統の他、陳福海(ちんふくかい)金門県長や野党・民衆党主席(党首)の柯文哲(かぶんてつ)氏らが参加した。
平和宣言は、最大野党・国民党から総統選への出馬を目指していた郭氏が今月中旬に発表したもの。「両岸は一つの中国に属し、どちらが中国かはそれぞれが主張する」という原則の下、中華民国の立場で中国と交渉を再開させると訴えていた。
郭氏は参拝を終えた頼副総統と握手を交わし、平和宣言を手渡した。
頼副総統は、平和を追い求めるなら「真の平和」を目指すべきだと指摘。そのために両岸間の現状や民主主義の政治体制を維持し、中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しないとの立場を堅持すると述べた。
頼副総統は与党・民進党の公認候補として来年1月の総統選に出馬する。国民党の指名を得られなかった郭氏の動向が注目されており、この日は連携の可能性が取り沙汰される柯氏と共にみこしを担ぐなどした。