(金門中央社)離島・金門県二胆島に駐屯する陸軍金門防衛指揮部烈嶼守備大隊二胆守備隊に所属する上等兵が中国に渡っていた問題で、福建金門地方検察署(地検)は17日、陸海空軍刑法違反の容疑でこの上等兵を指名手配した。同地検の劉建志主任検察官は、来週にも法務部(法務省)を通じて中国に送還を求める意向を示した。
この上等兵は9日朝の点呼でいなくなっているのが発覚。台湾で対中政策を担う大陸委員会が13日、中国・アモイにいるのを確認したと発表した。
劉氏はこれまでの調べにより、上等兵が部隊を離れたことは金銭問題と関係があると指摘。本人を呼び出せないことから、動機を完全に知ることはできないとしながらも、検察は感情のもつれや不適切な教育、自殺などが原因の可能性を排除し、共犯者もいないと語った。
また上等兵は9日午前5時ごろ、携帯電話を持ち、軍のものではない救命胴衣を着用し、対岸(中国)に向けて泳いだことが調査で分かったと説明。二胆島はアモイと約4キロの距離があり、途中、複数の島を経由すれば中国の海域に入るとした。
検察は上等兵がどのルートを通ったかや中国海警局に救助されたかなどは確認できないとしつつも、その過程から計画的な行動であることは明らかだと強調。余罪があるかについては、現在も捜査が続けられていると語った。
地検によると、陸海空軍刑法第39条では意図して長期にわたり職務から離れたり、職務に就かなかった者に対して、5年以下の懲役、第40条では理由なく6日以上職務から離れたり、職務に就かなかった者に対して、3年以下の懲役にそれぞれ処すと定めているという。