南部・高雄市で多く栽培される玉荷包ライチをレイシシロズホソガによる被害から守ろうと、同市政府農業局が大学などと協力し、緑色の照明を使ったガの活動抑制に取り組んでいる。農業局によると農家の収入増加と農薬使用量の削減が期待できるという。
高雄の玉荷包ライチの栽培面積は2340ヘクタールで、今年は9653トンの収穫が見込まれる。だがレイシシロズホソガの幼虫が種を食べると、落果や商品価値の低下を起こす恐れがあり、農家を悩ませている。さらに温暖化の影響で害虫の繁殖が促進され、対策が徐々に困難になっていた。
農業局ではレイシシロズホソガの習性を解明しようと、2021年から嘉義大学に委託して調査研究を開始。ライチの開花時期になるとレイシシロズホソガがライチの木に登ることを突き止めた。また農業部(農業省)鳳山熱帯園芸試験分所との協力により、農園で夜間に緑色の照明を使うとガの活動を抑制でき、農薬使用量の削減や収穫量の増加ができることが明らかになった。
これまで農薬散布は1回当たり約4000台湾元(約1万8000円)かかっていたが、照明の導入で今後は散布回数を4~6回削減できる。設置にかかるコストや電気代も1年で回収可能だ。
農業局の姚志旺局長は、農家や嘉義大、園芸試験分所などと協力し、今年は関連試験の規模を拡大すると説明。照明の効果に期待を寄せている。