農業部(農業省)林業・自然保育署は11日、絶滅が危惧されているクロツラヘラサギについて、2025年に世界で確認された個体数は過去最多の7081羽になったと明らかにした。台湾では前年より34羽増え、世界最大の越冬地だとしている。
クロツラヘラサギの個体数調査は、香港バードウオッチング協会(HKBWS)が中心となり1月に実施。台湾では林業・自然保育署が中華民国野鳥学会に委託して調査を行った。
台湾では9割のクロツラヘラサギが南西部に集中。最多は南部・台南市の2439羽だった。同・嘉義県で701羽、同・高雄市で408羽、中部・彰化県と雲林県の境界に当たる濁水渓の河口で255羽、雲林県で202羽、南部・屏東県で75羽、北東部・宜蘭県で36羽、離島・金門県で23羽、同・澎湖県で15羽、台北市で1羽、東部・台東県でも1羽がそれぞれ確認された。
林業・自然保育署は、台湾に飛来する個体数の増加はここ3年では緩やかだとしながらも、台湾各地での個体数は変動しており、餌を探して移動していることを示していると説明。これまで確認数が少なかった彰化県や澎湖県でも活動が見られることから、台湾での越冬地域が広がっているとした。