航海の女神、媽祖を祭る南部・嘉義県の宗教施設、新港奉天宮で新造された媽祖のみこしがこのほど完成し先月31日、お披露目された。タイワンヒノキで作られ、完成まで3年余りの歳月がかかった。
奉天宮によれば、新たに制作されたのは「四街祖媽」という敬称を持つ媽祖のみこし。同媽祖が使っているみこしは清朝時代の1828年に建造され、約200年の歴史を持つ貴重な文物であるため、2020年に媽祖の同意を得て、新しいみこしの制作に関する作業が進められてきた。
手掛けたのは中部・彰化県鹿港の木製家具職人で、同県政府に細かい木工技術保存者として認定された王肇楠さん。木細工の深い専門技術を持っているものの、みこしを作ったことがないというが、媽祖の指示とあっては、「任務を果たすしかない」と語った。
奉天宮は古いみこしについて、今後、文化財としての認定を申請し保存していくとした。