北部・基隆市にある市定古跡の鉄道トンネル「劉銘伝隧道」のフリー参観実施は5月1日から見送ることになった。トンネル内に生息している台湾固有種のコウモリ、タイワンカグラコウモリが出産と子育ての季節を迎えるためだ。
同トンネルは清朝時代に建設された台湾初の鉄道トンネル。内部の排水不良や一部が崩落したことから2009年に閉鎖された。市文化局は19年に修復に着手、昨年12月末から一般公開を再開した。土日に限り、10人以上30人以下の団体による参観を予約制で受け入れている。
生態系に詳しい専門家の観察によれば、毎年1~2月はタイワンカグラコウモリが冬眠する時期に当たり、トンネル内のコウモリは冬眠のため他所に移る。同市文化局はこれを受け、3~4月の期間中の木曜から日曜まで、市民が自由に参観できるようにしてきた。
だが、5~9月は繁殖と子育てをする時期に当たるため、トンネル内の生態系のバランスを守ろうと、同局は専門家のアドバイスに従い、自由参観の代わりに、5月1日から毎週木曜~日曜、団体のみの予約を受け付けることを決めた。