(パリ中央社)フランス・カンヌで開催された酒の品評会「ビナリ国際ワインコンクール」の今年の結果が6日に発表され、台湾のサトウキビを原料にしたラム酒2点が最高賞の「グランド・ゴールド」を受賞した。いずれも国営企業、台湾糖業(台糖)の研究所と高雄餐旅大学(南部・高雄市)が共同で製造した。同大の陳千浩副教授(准教授)は、地域の農産物や水を原料にその土地の風土に合わせて作る酒は、台湾の優れた農産物と醸造技術によるものだと語った。
コンクールは1994年に始まり今回で31回目。37カ国から2600点を超える酒が出品され、171点にグランドゴールドが授与された。
台糖研究所と同大は2021年に共同研究を開始。台南市にある台糖の畑で育てた、野生種の遺伝子を受け継ぐサトウキビを原料に醸造し、約4年にわたり熟成させた。新鮮なサトウキビの甘みと香りが立ち、繊細で優雅な味わいが特徴だという。
台湾では02年に酒の専売制度が廃止されるまで80年以上、民間の酒造が禁じられていた。陳氏は、教育部が進める「台湾地酒文化再生運動」の支援を受け、農村での醸造計画に取り組んでいる。
中央社の電話取材に応じた陳氏は、受賞までの道のりは非常に困難で孤独だったと吐露。特にサトウキビは微生物や細菌の影響を受けやすく、台湾の温暖な気候に対処する必要があるとし、新鮮で純度が高い原料の使用や低温での発酵、高精度な蒸留などで工夫したと説明した。
台湾の酒は近年、世界の舞台で高い評価を受けることが増えてきている。陳氏は、果物王国としても知られる台湾は、民間の積極的な参加と政府の強力な支援のおかげで、独自の酒を開発することができたと話し、これは台湾の非常に大きな強みだと語った。