(台北中央社)顧立雄(こりつゆう)国防部長(国防相)は19日、今年実施される中国の台湾侵攻を想定した大規模軍事演習「漢光41号」について、武器の納入スケジュールや統合作戦の訓練計画を考慮した上で高いレベルの戦備能力達成を目標に設定したとし、1~2年後の状況を想定して行う方針を明らかにした。
立法院(国会)の外交・国防委員会出席前に報道陣の取材に応じた顧部長は、中国が演習から実際の戦争に切り替える時間は、国軍がこれまで想定していたよりも短い可能性があると指摘。警戒すべき兆候を的確に把握し、あらゆる角度から敵の状況を判断する必要があると語った。
また武力攻撃と判断しにくい手段で圧力を加えるグレーゾーン作戦に対し、国軍は通常の戦備態勢から段階的に警戒レベルを引き上げ、迅速に戦争準備を整える必要があると強調。国軍の対応力を検証し、能力を高めるとした。
さらに台湾初の国産潜水艦試作艦「海鯤」については、4月中に海上での検収試験を行うと説明。防衛予算を国内総生産(GDP)比で3%以上に引き上げることについては、野党や社会と謙虚に意思疎通を行う意向を示した。その上で、実力と平和を引き換えることが最も重要だとし、台湾の自己防衛力を向上させてこそ、同盟国と共に抑止力を高めて戦争を回避できるとし、予算引き上げの最大の目標だと述べた。