(台北中央社)宮崎駿監督の映画「風の谷のナウシカ」が6日、台湾全土の映画館で公開され、初週週末の興行収入は1700万台湾元(約7600万円)を突破した。同作が台湾の劇場で上映されるのは今回が初めて。初週の特典として配布された台湾限定版ポスターにも注目が集まっている。
スタジオジブリ作品は台湾でも高い人気を誇るが、初期の一部作品は台湾で劇場公開されていなかった。台湾の配給会社は2021年から、台湾未公開作品を含むジブリ作品の劇場上映を行っている。
台湾限定版として制作されたのは「風の谷の~」に登場する「王蟲」(オーム)を描いたポスター。これまで数々の映画ポスターを手掛けてきたグラフィックデザイナーのジョー・ファン(方序中)さんがデザインした。
ポスターは端の部分を不規則に切り取り、古びた印象を表現。また素描の線で古書の雰囲気を出した。王蟲の比率など細部について日本側と何度もやりとりしたという。王蟲の目は光沢のある素材を部分的に使用し、平和を象徴する青のガラスの質感を表した。
ポスターは初週(6~13日)に同作のチケットを2枚購入した人に1枚配布されている。ポスターを手にしようと、インターネット上では各映画館のポスター残数を報告し合うための表を自発的に作成する人まで現れた。ポスターを入れる額を求める人も相次ぎ、ポスターを巡る熱狂に「蟲蟲危機」(オームの危機)や「王蟲の乱」などの名前も付けられるなど、収集ブームが巻き起こっている。