(金門中央社)中国の海洋研究船が12日午後、中国福建省に近い離島・金門周辺に設定されている「制限水域」に進入した。水中で観測作業を行っていたとみられる。海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)金馬澎分署が明らかにした。海巡署は「戦略的意図を排除しない」としている。
同署は12日午後1時ごろ、中国船の未許可での進入を禁じている金門の制限水域に中国の海洋研究船「延平2号」が進入したのをレーダーで捉えた。即座に巡視艇2隻を現場に派遣し、同船に対して退去を警告した。同船は同3時52分に制限水域から出たという。巡視艇は同船を退去させる際、同船が観測機器を海中に投入したのを確認し、即座に機器を引き上げるよう求めた。同船からは、作業を停止し、機器を回収するとの応答があったという。
同署は中国の海洋研究船が金門の制限水域で海洋観測を行うのは純粋な科学研究目的ではなく、戦略的意図を有することを排除しないと指摘。科学研究を装って実際には今後の作戦における配備の参考として戦場の環境把握を実施しているとの見方を示した。
その上で中国に対し、研究船や調査船で金門周辺水域を襲う行為を厳しく非難した。