(連江中央社)中国・福建省に近い離島の馬祖では春になり、霧が多発するシーズンを迎えた。台湾本島とを結ぶ航空便の欠航が相次ぐことから、毎日空港の運用状況や空席待ち人数、船の運航状況を確認することは馬祖の人々の日課で、その様子からはさまざまな方法や対策で天候の変化に対応する生活が垣間見える。
馬祖と台湾本島を結ぶ公共交通機関は航空便と船便のみ。船便は1日1往復で、馬祖を午前に出発し、北部・基隆には夜になって到着するため、多くの島民は移動に航空便を利用するのが一般的だ。だが毎年3~6月は濃霧が発生しやすく、欠航が頻発する。
匿名を条件に中央社の取材に応じた連江県政府関係者は、幹部が本島へ渡れるよう、3カ月以内の航空券をあらかじめ予約し、重要なイベント時などには出発予定日前日の便も確保すると語る。
交通部(交通省)は、航空機の限られた座席供給数を最大限活用するため、キャンセル料の値上げを検討しているが、馬祖の人々の多くは、キャンセル料がどれだけ高くなろうとも、キャンセル率は変わらないだろうとの見方を示す
政府の出先機関に勤める女性は、リスクを減らすため、台湾本島に戻る際は複数の便を予約すると語る。ベトナムから馬祖に嫁いだ女性も、帰省時に最も苦労するのが馬祖―台湾本島間の移動だとし、航空便が欠航した際には翌日の船便に切り替えられるようにしていると話した。
物流業の男性は、航空便の運航状況を見極めるこつを身に付けた。起床時に空港方面の山の上に霧がかかっていたら「欠航の可能性が高い」と判断するという。交通の便が限られる馬祖の人々は、それぞれのやり方で台湾本島への移動成功率を高めている。