豊かな生態系を有する玉山国家公園の塔塔加一帯で近頃、人間から食べ物を奪おうとタイワンザルが人を襲う被害が相次いでいる。同国家公園管理処はサルと距離を保ち、餌を与えたりしないよう呼び掛けている。
玉山国家公園は台湾最高峰・玉山(標高3952メートル)を中心に中部・南投県、南部・嘉義県、高雄市、東部・花蓮県の4県市にまたがる山岳型国家公園。夏季には避暑地として賑わい、園内の塔塔加辺りには古くから台湾固有種で野生のタイワンザルが生息している。
同国家公園管理処によれば、最近、涼を求め塔塔加レクリエーションエリアを訪れる人が多く、駐車場で混雑が見られる他、タイワンザルが隙きを見て車内に乗り込んで食べ物を奪ったり人をひっかいたりする行動が問題になっている。
同管理処は、人間による直接・間接の餌付け行為が関わっているとサル被害の原因を分析。群れ生活を送るタイワンザルが悠々自適の生活ができるよう、その野生の生き方を尊重してほしいと期待を示した。