南部・台南市政府は5日、玉井区玉井と南化区木瓜坑を結ぶバス路線「緑29」を開設した。走行距離は片道70キロで同市最長の路線となり、タクシーの車両を使って運行する。
市交通局によると、木瓜坑のある関山里は南化ダムの上流にある300世帯余りの小さな集落。ホタルの里として知られるが、最寄りのコンビニまで車で約40分かかる他、南化区公所(役所)までは1時間、市中心部までは2時間以上かかるという。
交通局の王銘徳局長は、定期便のバスは1日2本運行し、往復140キロを3時間30分で結ぶと説明。片道の運賃は市の補助を受けて100台湾元(約440円)とし、高齢者用の交通系ICカードがあれば無料で利用可能だと語った。
また2人以上の利用で希望の時間に配車することもできるほか、バス停から1キロの範囲であれば、自宅まで送迎も行う。
交通局では、2021年からタクシーの車両を使ったバス路線の開設を進めており、「緑29」で20路線目。この日行われた記者会見で黄偉哲(こういてつ)市長は、揺れが少なく、クーラーが効いて快適で、運賃も安いとメリットをアピールした。