(台北中央社)台北映画祭は14日、映画評論家の張昌彦さんに卓越貢献賞を授与すると発表した。1980年代から映画界で台日の交流に力を注ぎ、台湾映画の国際的な発展を後押しした。
張さんは台湾の大学を卒業後、早稲田大学の大学院に留学。台湾に戻ってからは大学で脚本執筆を指導し、黒沢明監督や成瀬巳喜男監督、小津安二郎監督らを紹介して台湾の映画界発展に大きな影響を与えた。教え子にはツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督やリエン・イーチー(連奕琦)監督、チュアン・ジンシェン(荘景燊)監督などがいる。
作品選定に携わった84年の金馬映画祭では、山田洋次監督や降旗康男監督の作品を台湾の映画ファンに届け、中華民国と日本の断交(72年)により生まれた台日の映画界の溝を埋めた。また台湾の優れた作品を日本の映画祭を通じて紹介した。今年2月には日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会から、台日関係の相互理解や友好親善に貢献したとして「日本台湾交流協会表彰」を授与された。
今年の台北映画祭は6月20日から7月5日まで、台北市内の映画館やホールで開かれる。張さんが最も敬愛しているという小津安二郎監督の「小早川家の秋」の特別上映も行う。台北映画賞や国際新監督コンペティションのノミネーションは5月に発表される。