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国内リゾートより「沖縄」に行きたい 台湾で起こる訪日旅行の「国内旅行化」

野球の国際大会「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)の1次ラウンドC組台湾対チェコ戦のために東京ドーム前に集結した台湾の野球ファン=東京ドーム前で2026年3月7日、中央社撮影
野球の国際大会「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)の1次ラウンドC組台湾対チェコ戦のために東京ドーム前に集結した台湾の野球ファン=東京ドーム前で2026年3月7日、中央社撮影

(台北中央社)台湾南部のリゾート地「墾丁」に行くくらいなら「沖縄」に行きたい―。日本路線の増便や円安の影響で、台湾人にとって訪日旅行が「国内旅行化」していると旅行業界関係者は指摘する。台湾内の宿泊費の高さ、観光地の均一化、体験の質などが影響しているとみられる。

2025年の台湾人の出国者数は延べ1894万人を超え、前年比12.4%増で過去最多を更新した。航空各社は路線の拡充を続け、台湾の地方都市から日本各地への直行便も増えた。長距離路線は燃料価格が高騰していることもあり、多くの旅行のニーズが日本に再び流れ込んでいる。交通部観光署(観光庁)の統計によれば、今年1~2月の出国者のうち、目的地別で日本が38.2%を占めトップに立っている。

これらの現象から、台湾のアウトバウンド市場において、「訪日旅行の国内旅行化」が旅行業界から指摘されている。訪日旅行はリピーター中心の市場となり、東京や大阪といった大都市にとどまらず、より深い体験を求めて地方都市へと足を延ばす人も出てきている。

▽日本旅行の時間的・金銭的「コスパ」の高さが背景に

台湾の北部から東部や南部の観光地への移動にかかる時間と、国際線で日本に向かうのとでは時間的コストは今や大差ないと旅行業界関係者は指摘する。さらに円安の影響で、航空券代を除けば日本での宿泊や飲食、ショッピングなどにかかる金銭的コストも、台湾内の観光地と比べるとより割安に感じる人が多いという。

旅行大手、ライオントラベル(雄獅旅遊)の頼一青総経理(社長)は、 メジャーな旅行先である東京や大阪、京都はすでに訪れたことがある人が多いため、近年は定番の観光スポットを訪れるツアーではなく、より深掘り型、体験型の内容を中心としたツアーの販売に力を入れていると説明。特に短い滞在日数で、個人の時間を十分に確保したプランが若年層の間で支持されていると話した。

▽台湾観光、真の課題は「体験の付加価値」

台湾の国内旅行は長年「価格の高さ」が議論されてきたが、旅行会社幹部は真の問題は価格ではなく、体験の付加価値の不十分さにあるとの見解を示す。

日本は、北海道なら雪、金沢なら工芸、福岡なら屋台文化と、各地にその場所「ならでは」の魅力がある。一方、台湾はどこも夜市やB級グルメと特徴が似通っており、「一度は行きたい」と思わせる魅力に欠けるとこの幹部は話す。

より深刻なのは、旅行体験の一貫性の欠如だ。旅行会社幹部は、高級ホテルの周辺環境を例に挙げ、雑然とした街並みや看板、動線が分かりにくい商業エリアなどに囲まれており、日本の秩序ある街並みとは対照的だと指摘。ホテル自体がどれほど豪華でも、一歩外に出ればその雰囲気が途切れてしまい、体験が断片的なものになってしまうと述べた。

▽台湾の魅力、「表層的なイメージ」にとどまる

旅行会社幹部は外国人観光客向けのPRにおいて、夜市やタピオカといった従来のアピールポイントは表層的な消費のイメージにやや偏っており、高付加価値の旅行先としてのイメージを支えることが困難だと訴える。「B級グルメを味わい、夜市を歩く」といった一辺倒なPRでは、ディープな体験を求める旅行客や高額消費層を引き付けることは難しいと苦言を呈した。

台湾の人々は旅行にお金を使いたがらないわけではなく、「同じ予算なら、コストパフォーマンスがより高い」旅行先を選ぶ傾向にある。日本は交通の利便性に加え、観光の質が安定しており、一貫性のある体験ができることなどから、何度も訪れたくなる旅行先として選ばれていると分析した。

(江明晏/編集:楊千慧)

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