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彰化県の若手コーヒー農家、日本市場に熱いまなざし 酸味少ない味が魅力/台湾

2025/04/16 11:32
コーヒーかすを使った消臭グッズの手作り体験を行う張智閔さん(右奥)=本人提供
コーヒーかすを使った消臭グッズの手作り体験を行う張智閔さん(右奥)=本人提供

(台北中央社)中部・彰化県の八卦山でコーヒー農園を営む若手生産者の張智閔さんは、酸味が控えめな味わいの八卦山のコーヒーが日本の人々の好みに合っていることに気づいたのをきっかけに、日本への販売機会を広げている。20日には石川県で開かれるイベントで、日本のコーヒー愛好家にその味を紹介する予定だ。

競争が激しいとされる台湾のコーヒー市場。台湾産のコーヒーは生産規模が輸入品より小さいこともあり、生産者は栽培と焙煎ができるだけでは太刀打ちできないと言われる。こうした中で若手生産者たちは、独自の方法を見つけて持続可能な経営を目指している。

張さんはこれまで、資源を再利用し有効活用するサーキュラーエコノミー(循環経済)の流行に目を付けて、コーヒーかすを材料に取り入れた有機肥料や線香、せっけんなどを開発。線香は宗教行事「媽祖巡行」の際に人気を博し、200キロ以上を売り上げたという。

八卦山のような標高が低い土地のコーヒー豆は、風味の豊かさといった面で標高が高い場所のコーヒー豆に及ばず、国内ではあまり注目されていないと語る張さん。だがある日、母と話していると、日本から出張で台湾を訪れた客が張さんのコーヒーを試飲して気に入り、その後も毎年のようにコーヒーを買いに来ていると聞かされ、酸味の少ない味わいが日本の消費者の味覚に合っていることを知った。

張さんは農業部(農業省)の傘下機関が日本市場へのコーヒー販売に近年力を入れていることと、良好な台日関係に後押しされて日本市場への進出を始めた。ここ2年間の売上高は小規模ながらも全体の1割を占めており、現在も成長段階にある。

20日に石川県金沢市で開かれる「金沢コーヒーヴィレッジ」では、張さんのオリジナルブランド「長日珈琲」(チャンリーコーヒー)が出店する。張さん自身も現地を訪れる予定で、コーヒーかすを使った消臭グッズの手作り体験を行うなどして、3年の月日をかけて開発したエコ製品もPRしたいと話している。

(楊淑閔/編集:田中宏樹)

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