(台北中央社)台湾の産学が共同で開発し突然死予測システムが、優れたイノベーションや新製品などに贈られる国際的な賞「エジソン賞」で金賞を受賞した。同システムは人工知能(AI)を用い、突然死のリスクが生じる6時間前にアラートを発することが可能で、少なくとも半数以上の突然死を防ぐことができるという。
受賞者の発表は今月2、3日に米フロリダ州フォートマイヤーズで行われ、米エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)らがプレゼンターとして登場した。
システムの開発は衛生福利部(保健省)情報処長で台湾大学医学部救急診療医学科の臨床教授でもある李建璋氏の指揮の下、台湾大が中心となって推進した。台湾のパソコン大手、エイスースや国家科学・技術委員会が参加し、台湾大医学部附設医院や国泰総合医院などで検証試験が行われた。開発までには3年以上を費やした。
李氏によれば、システムは患者の六つのバイタルサインをリアルタイムで分析して突然死を予測するだけでなく、今後1時間の呼吸や心拍、血圧、血中酸素濃度などのデータを生成する。これらによって医療チームは事前に患者に対応できるようになる。李氏は、感度は95%、特異度は92%以上で、突然死のリスクがない患者にアラートを誤送信することはないと自信を示した。
今後、1~2年をかけて統計を進めていく。李氏は、すでに衛生福利部台中医院(中部・台中市)で導入されていると説明。病院だけでなく、在宅ケアや長期介護施設の患者にも大いに役立つと話した。