(台東中央社)数位発展部(デジタル発展省)は24日、台湾初の国産係留気球基地局を東部・台東県鹿野郷の鹿野高台でお披露目した。災害発生時に早急に通信機能を復旧させる潜在能力を備え、台湾の通信ネットワークの強靱(きょうじん)性強化を図る。
通信分野の公的シンクタンク、電信技術センターが公的研究機関、工業技術研究院(工研院)や台湾科技大学、台北科技大学と連携し、開発した。気球は高度800メートルまで到達し、半径11キロをカバーする。独立したエネルギー供給装置を搭載し、水素を用いて電気をつくる燃料電池を主な電力供給源とする。長時間の運用において環境負荷の少ない電力を安定的に供給する。滞空可能日数は14日以上に上り、基地局は80時間の通信サービスを提供できる。搭載可能重量は50キロ。現在、上空の基地局はドローン(無人機)型、係留ヘリウム気球型、飛行船型の3種類があるが、係留ヘリウム気球の搭載可能重量が最も大きいという。
電信技術センターによれば、係留気球基地局はネットワークのカバー範囲を拡大できる他、災害救助の前線での通信維持に役立てられ、救助隊や孤立した被災者に第一線で通信サービスを提供する。メッセージの送信だけでなく、動画の閲覧も可能だという。
数位発展部の黄彦男(こうげんなん)部長(大臣)は、通信の強靱性を確保する上で、今回開発した係留気球基地局は世界でもあまり見られないソリューションだと語り、台湾自身で発展させた技術であり、「台湾の光」と言えるとアピールした。