(福岡中央社)台北市に本社を置く台新国際商業銀行(台新銀行)は23日、4月に新設した同行東京支店福岡出張所の記者会見と開業記念パーティーを福岡市内のホテルで開催した。同行の呉東亮(ごとうりょう)董事長(会長)は、九州には半導体産業に関する強みがあるのに加えて、半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)も投資を進めているとした上で、台日が九州で協力することで日本経済の成長を後押しできるだろうとの考えを示した。
TSMCの熊本工場建設は、台湾の他の半導体関連企業による日本への投資につながった。台湾資本の各銀行もこうした台湾企業と足並みをそろえ、このところ日本進出に積極的な姿勢を見せている。
台新銀行は2016年に東京支店を開設。福岡出張所は日本で2番目の拠点として今年4月23日に開所した。開業記念パーティーには呉氏の他、同行の尚瑞強副董事長(副会長)、林淑真総経理(社長)、さらに現在同行の独立董事(独立社外取締役)を務める王美花(おうびか)前経済部長(経済相)などがそろって出席した。
呉氏は、今は台日の関係が史上最も良い時期であり、政府や企業間の関係だけでなく、民間の感情面でのつながりも深まっていると言及。福岡出張所の開設は同行が日本で展開していく上でのマイルストーンであり、台日の経済貿易関係が緊密さを増していく起点でもあると述べた。
また、九州には完備された半導体工業団地、供給が安定していて価格も適当なグリーンエネルギー、整った半導体人材の育成システムという三つの強みがあり、さらにTSMCによる投資が加わったとし、台日の協力で「シリコンアイランド九州」の名を改めて輝かせることができるだろうと期待を寄せた。