(台北中央社)台日の工学の専門家らが一堂に会する「中日工程技術シンポジウム」が20日、台北市で開幕した。王美花(おうびか)経済部長(経済相)は開幕式典に出席し、水素エネルギーや半導体の分野で日本との協力に意欲を示した。
王氏は水素エネルギーは台湾が日本との協力を強く望む分野だと言及。神戸を訪れた際に水素運搬船や水素受け入れ基地を見学したことに触れ、日本の経験を参考にしたい考えを示した。
半導体産業における台日の協力についても言及した。台湾積体電路製造(TSMC)が建設中の熊本工場について、海外での新工場建設計画において最も早く完成するとし、日本の国と地方両方の支持のおかげだと評価。台日は人材の背景や仕事の文化の面で似通っているとし、台日の協力は半導体分野での連携に伴って新たな発展の波を巻き起こすことだろうと述べた。
また、半導体製造に必要な材料の分野で日本が世界の先を行き、中小規模の「隠れたチャンピオン企業」も多く存在しているとした上で、最先端プロセスや研究開発の中心地である台湾に日本の材料メーカーが投資すれば、ウィンウィンの結果を創り出せると語った。
同シンポジウムは台湾の工学の専門家らでつくる中国工程師学会が主催。1980年から台湾で開催されている。34回目となる今回は、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「ネットゼロ」や持続可能な経営、温室効果ガス排出削減技術などに焦点が当てられる。23日まで行われる。