(台北中央社)22日に開幕した台湾最大規模の国際食品見本市「台北国際食品展」(FOOD TAIPEI)で、バルト3国の一つ、リトアニアのパビリオンに注目が集まっている。出展業者は、台湾市場でのさらなる成長に期待を寄せている。
台湾との関係を深めているリトアニア。昨年、新型コロナウイルスワクチンを2回に分けて台湾に無償提供したほか、首都ビリニュスに中華民国(台湾)の代表機関、駐リトアニア台湾代表処を設置することを認めた。代表処は同11月に業務を開始した。台湾では、ワクチン寄贈へのお礼としてチョコレートなどリトアニア産商品を積極的に購入しようとする気運が高まったほか、中国による圧力で行き場を失ったリトアニア産ラム酒を台湾企業が買い取るなど、リトアニアに友好的なムードが醸成されている。
同見本市を主催する台湾貿易センター(中華民国対外貿易発展協会、TAITRA)の担当者によれば、リトアニアのパビリオンには20を超えるブランドが出展。このうち、リトアニア農業省率いる12社は会場に担当者を置く形で参加した。今年の同パビリオンの出展者数は昨年より多く、商品も多様化したという。また、リトアニアのエギディユス・ギエドライティス農業副大臣も見本市開催に合わせて訪台し、22日に来場した。
リトアニアのチョコレートブランド「ルタ」の商品を台湾で輸入販売する台湾富美貿易の創業者、黄棏躍さんは、リトアニアが台湾へのワクチン寄贈を発表した昨年6月以降、売り上げが急増したと明かす。昨年の売上高は2020年に比べて倍増し、1000台湾元(約4500万円)に上った。ブースにはバイヤーなどが次々と訪れており、さらなる成長が見込めると話した。
酒類を出展した飲料メーカー、シュビトゥリス・ウテノスアルスの担当者は、今年の売上高は成長が期待できると手応えを明かし、今回の出展を通じ、台湾側のパートナー企業を見つけられればと願った。
見本市は台北南港エキシビションセンターで25日まで開かれる。今年は23カ国から1097社が出店し、出展社数は前年に比べ133%増加した。