(パリ中央社)フランスの国立東洋言語文化学院(INALCO)と台湾師範大学国際台湾学研究センターは今月、パリで「台湾史の学び直し」をテーマにした講座を開いた。講師は「中華民国」や「中華人民共和国」、「本省人」、「外省人」といったキーワードの解説を通じ、受講者にその背後にある認識を読み解かせ、台湾社会の変化への理解を促した。
主催者の一人で、INALCOで台湾学研究の責任者を務める劉展岳さんによると、講座は1945年から80年までにフォーカスを当てた。主に、日本による植民地統治の終わりから国民党政権の来台、政府が市民を弾圧した47年の「2・28事件」、さらに政府が思想や言論を弾圧した「白色テロ」、その後の民主化について議論した。
劉さんは、受講者はキーワードに複数の解釈や訳があることから、台湾史にさまざまな角度や立場があることに気づいたと説明。例えば、日本統治時代を表す中国語は「日治時期」「日拠時期」「日植時期」などがあるとした上で、この三つに対応するフランス語訳を通じ、どの表現がグローバルな文脈の中での台湾史観に適しているかを議論したと話した。
「台湾史の学び直し」は、今年に入ってから台湾でブームになった。背景には、戒厳令下に起きた未解決事件「林義雄一家殺害事件」を題材に製作された映画「世紀血案」を巡り、2月に出演者の不適切な発言や製作過程での問題が露呈したことがある。
劉さんは、この頃ちょうど台湾に滞在していた。同事件が取り上げられている2011年のドキュメンタリー映画「ハンド・イン・ハンド」(牽阮的手)も観賞し、フランスに戻った後に「学び直し」の波をパリの学生らにも広げようと考えたという。
講座では台湾から講師を招いて「芸術」と「生態」の観点から台湾史を学ぶ取り組みも行った他、「ハンド・イン・ハンド」の上映会も開かれた。