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戒厳令下の未解決事件を映画化 批判殺到で出演者らが声明「上映を阻止」/台湾

戒厳令下の未解決事件を題材にした映画「世紀血案」の主要キャスト、ヤン・シャオリー(左端)やリー・チェンナー(左から2人目)、ジエン・マンシュー(右から2人目)ら=2月1日
戒厳令下の未解決事件を題材にした映画「世紀血案」の主要キャスト、ヤン・シャオリー(左端)やリー・チェンナー(左から2人目)、ジエン・マンシュー(右から2人目)ら=2月1日

(台北中央社)戒厳令下の台湾で社会を震撼させた未解決事件「林義雄一家殺害事件」を題材に製作された台湾映画「世紀血案」に対し、「被害者や遺族への尊重が欠けている」として批判が殺到している。同作の出演者やスタッフは10日、共同声明を発表し、社会を騒がせ、遺族を再び傷つけたことに謝罪するとともに、同作のいかなる製作や上映、露出をも阻止すると表明した。

同作を巡っては、題材の敏感さに加え、出演者の不適切な発言や当事者に断りなく製作が進められていたことなどで、批判が広がった。すでに撮影を終えており、1日にクランクアップ記者会見が開かれていた。

主要キャストのヤン・シャオリー(楊小黎)やリー・チェンナー(李千娜)、ジエン・マンシュー(簡嫚書)、シア・タンホン(夏騰宏)、ホアン・ハー(黄河)らは10日夜、自身のフェイスブックで出演者・スタッフ名義の共同声明を発表。声明では、製作側が当事者や遺族から許可を得ていない事実を意図的に隠しており、契約書には「本作を撮影する上での合法な許可を取得している」と明記されていたと指摘。出演者・スタッフは何も知らずに同作に参加することになり、無許可であることを契約時に伝えられていれば「この仕事を引き受けることは決してなかった」と強調した。

製作側の行為は「当事者とその家族を大いに傷つけた」と非難し、「今なすべきことは、、本作のいかなる製作や上映、いかなる形での露出をも阻止することだ」との立場を示した。

また、出演者・スタッフは個別に弁護士を通じ、製作側に対し、自身の肖像や氏名、声、実演、著作の使用を即時停止することを厳正に求めたとし、要求に応じない場合には法的手段を講じるとした。

同作の郭木盛プロデューサーは10日夜、中央社の取材に対し、映画の公開を無期限延期すると明らかにした。

▽「林義雄一家殺害事件」

戒厳令下の1980年2月28日、民主化を訴えるデモの参加者と警察が衝突した「美麗島事件」(1979年)でデモに関与して逮捕された林義雄氏の台北市内の自宅で、林氏の母親と双子の娘2人が殺害され、長女が重傷を負った事件。45年以上が経過した現在でも未解決のままとなっている。事件の捜査を巡っては、過去の政権による人権侵害や真相究明を目指す「移行期正義促進委員会」が2020年に公表した調査報告書や監察院が23年に承認した捜査報告書で、警察側の捜査のずさんさや重大な過失が指摘されている。

(王心妤/編集:名切千絵)

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