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台湾固有のサンショウウオ、2種の名称を入れ替え 関東大震災後の標本喪失が発端

2025/01/09 16:31
ソナンサンショウウオ=雪覇国家公園管理処提供
ソナンサンショウウオ=雪覇国家公園管理処提供

(苗栗中央社)台湾固有のサンショウウオ5種類のうち「タイワンサンショウウオ」(台湾での中国語名=台湾山椒魚、学名=Hynobius formosanus)と「ソナンサンショウウオ」(楚南氏山椒魚、Hynobius sonani)の2種類が、台湾で名称が誤って反対に呼ばれていたことが分かり、両者の名称を入れ替えることが学界関係者の間で決まった。日本統治時代の1922(大正11)年に日本の動物学者、牧茂市郎氏が新種を発表したが、翌23(大正12)年の関東大震災の際に基準となる標本(ホロタイプ)を喪失したことが発端となり、誤った認識が広がっていた。

関連の論文によれば、牧氏は新種発表の際、2種類の標本を採取したタイプ産地について、何らかの原因で標本と論文での記述を入れ違えて記載。80年代に台湾の研究チームがこれを発見した。標本の喪失に加え資料写真が判別困難になっていたため、同チームは当初に発表された産地で採取した個体を基に命名や定義を改めて行った。この結果、台湾と日本の学界で食い違った名称を使う現象が生まれたという。

2019年になって台湾と日本の研究チームがこの現象に気づいた。台日の複数の大学や博物館などが調査に協力し、最終的には国際的な規範にのっとり、名称を入れ替えて牧氏の当初の論文通りに修正することに決まった。

北部・新竹県と中部・苗栗県、台中市にまたがる雪霸国家公園の管理処は8日、一連の出来事を紹介した。同公園内にはこれまでタイワンサンショウウオと「コガタタイワンサンショウウオ」(観霧山椒魚、Hynobius fucus)の2種類が生息しているとされていたが、修正により生息しているのはソナンサンショウウオとコガタタイワンサンショウウオになったと説明した。

(管瑞平/編集:田中宏樹)

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