(台北中央社)台湾の言語政策の歴史や変化に焦点を当て、生活や文化に与えた影響を紹介する特別展が23日、北部・新北市の国家人権博物館白色テロ景美記念園区で始まった。同館では展示を通じ、来場者に言語の多様性への意識を深め、言語文化の保存について考えてもらいたいとしている。
特別展では日本統治時代に日本語、戦後の国民党政権下で中国語の普及が推進される中、教育や政策、法律を通じて方言の発展がどのように抑圧されてきたかや、現在行われている多様な言語の保存や伝承に向けた取り組みなどを紹介している。
この日開かれたオープニングセレモニーで姚嘉文(ようかぶん)総統府資政(顧問)は、収監された子供に会いに行った親が、面会の際には中国語しか話してはならないとする国の規定のために会話ができなかったケースを挙げ、政府は各エスニックグループの母語を決して禁止してはならないと訴えた。
同館の洪世芳館長は、自身の幼少期の母語は台湾語だったが、就学後には中国語の使用を強制されたと強調。母語を忘れることは自身の主体性を失うようなものだとの認識を示し、自身の言語と方言を必ず復興しなければならないと語った。
特別展は来年8月31日まで。