(台北中央社)衛生福利部(保健省)が16日発表した統計で、昨年に自殺で死亡した台湾人は4062人で、2009年以来15年ぶりに4000人を超えたことが分かった。台湾自殺防治学会理事長で台湾大学医学部教授の呂淑貞氏は同日、メンタルヘルスや自殺防止に充てる各県市の予算が低い傾向にあるとし、拡充が必要だとの考えを示した。
自殺者数は前年から164人(4.2%)増加した。年齢別では0~14歳と65歳以上で減少したものの、その他の年齢では増加した。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は同0.7人増の17.4人だった。
報道陣の取材に応じた呂氏は、各県市のデータベースを分析したところ、児童や青少年、特に女性の自殺が顕著に増加していることが分かったと説明。青少年は学校でのストレスや恋愛問題、新社会人としての職場への適応などがリスクになっているとした。また働き盛りの世代は職場でのストレスや経済の変動、インフレ、財務的困難に加え、精神疾患の罹患(りかん)率上昇や家庭内暴力なども重なり、リスクが高い世代になっていると述べた。
呂氏は、学校や家庭での教育、職場での健康教育など、さまざまな層に対応する多様な健康促進・自殺防止計画を策定すべきだと主張。中央・地方政府に対し、関連資源を拡充し、人々がそれらの資源にアクセスするための支援をするよう呼びかけた。