(東京中央社)東京の六本木地区で27日、アートイベント「六本木アートナイト2024」が開幕した。特定の国・地域に焦点を当てた新設プログラム「RAN Focus」で台湾が紹介され、7組のアーティストがインスタレーションや映像、ダンスなどを通じて台湾文化の多様性をアピールしている。
同プログラムは森美術館と台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)台湾文化センターの協力を得て実現した。六本木アートナイト実行委員長を務める同美術館の片岡真実館長は、初回の「RAN Focus」の対象国に台湾を選んだ理由として例年、同アートイベントに参加しているためと説明。長期にわたって同イベントを支持してきた台湾に感謝を伝えた。
オープニングセレモニーでは、現代舞踊団のメイメージダンスによって台湾の宗教施設「廟」の前広場で繰り広げられる伝統芸能を今の劇場の言葉で表現したダンス「沈黙の島―新たなる楽園」が披露された。作品の制作を手がけたリン・ジャフォン(林佳鋒)プロデューサーは中央社の取材に対し、案内によって神様に扮したダンサーの後について歩く日本人来場者がいることに言及。「台湾ならではの文化の一部であることを知ってもらえれば」と期待を寄せた。ダンスの音楽には台湾の廟の行事でよく耳にする「素蘭小姐要出嫁」(ソーランさんの嫁入り)の原曲である「ソーラン節」が取り入れられた。
ダンスパフォーマンスの他、片岡氏と台湾の文化人たちによるスペシャルトークなども実施された。
アートイベントは29日まで。