(台北中央社)日本の歌と旅行をテーマに、台湾の声楽家3人が日本歌曲を披露するコンサートが14日、台北市の国家両庁院リサイタルホールで行われた。日本の文化や旅行に関するトークを交えながら、滝廉太郎の「花」など日本各地にちなんだ曲を中心に約20曲がすべて日本語で歌われ、集まった約300人が耳を傾けた。
トークは「工頭堅。旅行長」として日本の観光情報や歴史、文化などを紹介するユーチューバー、呉建誼さんが担当した。「駿河台」や「両国」など東京の地名を曲名にした團伊玖磨の曲の後には、江戸や東京の地名についてや参勤交代について話すなどして聴衆を引き付けた。
中央社の取材に応じた出演者の一人、ソプラノの許雅萍さんは日本歌曲について、初めて歌ったときは「発音はできるが、味わいが違う」という状態だったと明かす。その後日本語を勉強したり、日本の小説を読んだりして日本人の感情表現などを学んだと話した。
ドイツ留学時に日本人から声楽を習った経験を持つソプラノの王嘉琳さんは、日本歌曲は他の歌曲と比べて、控え目だが精密で優雅な雰囲気があり、歌う時には繊細さが求められると語った。
コンサートの最後にはアンコールが起こり、許さんと王さん、バリトンの廖宇盟さんが「いい日旅立ち」を重唱で披露した。
(田中宏樹)