(連江中央社)日本人芸術家の高橋匡太さんが制作した作品が、離島・馬祖(連江県)で開催中の芸術イベント「第2回馬祖ビエンナーレ」(馬祖国際芸術島)で展示されている。作品は馬祖の人々に関する話から着想を得て制作され、馬祖の住民と日本の小学生が作品作りに参加した。高橋さんは20日、中央社のインタビューに応じ、作品について語った。
出展されたのは、雲をモチーフにした「雲の故郷へ」(通往雲的故郷)。高橋さんはビエンナーレのために馬祖を訪れた際、チーフキュレーターの呉漢中さんから馬祖の人々は雲の変化を見て天気を読めるというエピソードを聞いたという。作品は海に囲まれた島で暮らす馬祖の人々がよく知る雲を通じ、限りなく自由に動ける可能性を探っている。
作品は2つに分かれており、そのうち一つの展示では空間を雲をかたどった風船で埋め尽くし、光を利用して日の出から日没までのメルヘンチックな雰囲気を作り出した。風船には「切符」が結び付けられており、馬祖と香川県高松市の離島・男木島でそれぞれ開かれたワークショップの参加者が行ってみたい場所を書き記した。
もう1つは馬祖固有の花こう岩の石を馬祖の島の一つ、南竿島の形に敷き並べ、それに雲の形の風船を結び付けた。移動することのない大地と自由に移動できる雲の対比が表現されている。高橋さんはどちらも馬祖の人々の生活に欠かせない一部だと話した。
イベントは台湾の非政府組織(NGO)中華文化総会と県が主催。馬祖列島各地に台湾を含む7カ国のアーティストが制作した作品計70点が集結している。今月23日から11月12日まで。「雲の故郷へ」は南竿郷の馬祖民俗文物館で展示されている。