(台北中央社)中国軍が連日、九州沖から沖縄、台湾、フィリピンまでを結ぶ「第1列島線」内に多数の艦船を派遣しているのを受け、総統府の郭雅慧(かくがけい)報道官は11日、中国当局の行為は「インド太平洋地域の安全や安定の現状への公然たる破壊」だと非難し、地域の一員としての義務を果たし、一切の挑発行為をやめるよう中国に呼びかけた。
中国人民解放軍は9日から11日まで浙江省や福建省の東側に、航空機の進入を制限する「空域保留区」を設定。国防部(国防省)によれば、11日午前6時までの48時間に中国の軍用機延べ100機、軍艦・公船40隻が台湾海峡周辺で活動しているのが確認された。
頼清徳(らいせいとく)総統は6日まで、中華民国(台湾)と外交関係を有する太平洋島しょ国のマーシャル諸島、ツバル、パラオの3カ国を訪問し、経由地として米ハワイや米領グアムにも立ち寄っていた。郭報道官は、総統の外遊は慣例であり、台湾が対外的に正常な国際交流を行うことは中国の挑発の言い訳にはならないと説明した。
外交部(外務省)も11日、中国当局に対し「軍事的どう喝と地域の平和、安定を脅かす一切の非理性的行為をやめるよう厳正に求める」とする報道資料を出した。