(台北中央社)台湾で対中政策を担当する大陸委員会によれば、中国を訪問した台湾人団体旅行客の1人が中国で留置・尋問され、数日後に釈放された事案がこのほど発生した。同委の邱垂正(きゅうすいせい)主任委員(閣僚)は7日、中国への渡航は慎重に検討するよう呼びかけるとともに、渡航する前は安全確保のためにも同委の特設サイトに渡航目的や主な連絡先などの関連情報を登録するよう求めた。
同委の報道官を兼任する梁文傑(りょうぶんけつ)副主任委員が6日の定例記者会見で明らかにしたところによると、当事者は4泊5日のツアーに参加。旅行中、中国当局に連行され、旅行団が帰国した数日後にようやく釈放された。梁氏は同事案の詳しい状況や留置原因について調査中だとしている。
また、関係筋によれば、中国が当事者を留置した背景には当人が定年退職する前の職業が比較的特殊だったことがあるという。
中国でスパイ行為を摘発する改正「反スパイ法」が実施された昨年7月以降、台湾人が中国で尋問を受けるケースは増えているが、団体旅行客が留置され尋問を受けるのは初めて。