(東京中央社)中国の呉江浩駐日大使は5月20日、東京都内で開いた座談会で、同日に台湾で行われた頼清徳(らいせいとく)総統の就任式に参加した超党派議員連盟の日華議員懇談会(日華懇)の議員らについて「極めて誤った政治的シグナル」などと発言した。日華懇は同月31日、緊急役員会を開いた上で、呉氏に対して抗議文を送付した。
呉氏は「公然と台湾独立勢力に加担するもの」「断固反対」などと立場を説明。「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれる」と述べた。また日華懇会長の古屋圭司衆院議員によれば、中国の薛剣駐大阪総領事が、就任式に出席した議員の一部に抗議の書簡を送ってきたという。
古屋氏は「常軌を逸した発言」と不快感を表明。呉氏への抗議文では、訪台の目的について「古き良き真の友人である台湾との絆を深めるための友好親善であり、中国を分断させるなどという意図は発想にもありません」とした上で「国交ある国の大使として、甚だ不適切な表現であり、大国として、あるまじき発言」と批判した。
また台湾について「基本的価値を有する大切な友人」とし「台湾と台湾海峡の平和と安定を願っています」と強調。中国に対して東アジアの安定に貢献するよう求めた。