(台北中央社)中国は31日、台湾と中国間で結ばれている海峡両岸経済協力枠組み取り決め(ECFA)に基づく関税優遇対象製品のうち、潤滑油基油や競技用自転車など134品目への優遇措置を停止すると発表した。台湾で対中政策を担当する大陸委員会の邱垂正(きゅうすいせい)主任委員(閣僚)は同日の立法院(国会)本会議で、強い抗議と不満を表明するとし、結果は中国側が背負うべきだと語った。
中国は昨年12月にも石油化学製品など12品目に対する関税優遇を停止すると発表していた。中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の陳斌華報道官は同日、頼清徳(らいせいとく)政権が頑として「台湾独立」の立場を堅持し、「92年コンセンサス」を認めていないと今回の停止措置の理由を明かした。
邱主任委員は、このような台湾に対する圧力や脅迫的な政治操作は相互利益がもたらされる両岸(台湾と中国)経済貿易発展の方向性をねじ曲げ、国際分業構造を阻害するだけでなく、両岸の経済貿易関係を引き離し、途絶させると指摘。両岸の違いに対しては、現実に向き合い、政治的障壁を取り払った上で、実務的な意思疎通で問題解決を図ることが最善の方法だとの認識を示した。
大陸委も報道資料を通じ、中国に対して政治に関わらないことを前提とした建設的な対話で違いに対処し、経済的な圧力や統一戦線工作などをやめるよう呼びかけた。