(北京、台北、桃園中央社)中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室(国台弁)の陳斌華報道官は15日、「両岸(台湾と中国)の対立をあおった」として台湾の政治家や有名司会者ら5人とその家族を懲戒すると発表した。名指しされた5人のうちの1人で、与党・民進党政策会執行長の王義川氏は、レッテルを貼り、分断するやり方は両岸関係を破壊しているとし、国台弁は深く反省すべきだと反論した。
陳氏が王氏以外に名指ししたのは、評論家の黄世聡氏や李正皓氏、北部・桃園市議会議員の于北辰氏、司会者の劉宝傑氏。「中国大陸が進歩している事実を顧みず、中国大陸に関する虚偽でネガティブな情報をでっち上げてテレビやインターネット、新聞などのメディアで拡散した」などと批判。対立をあおり、両岸同胞の感情を傷つけたとし、5人とその家族を法にのっとり懲戒すると語った。
懲戒の内容については、本人と家族の中国大陸や香港、マカオへの渡航が禁じられる他、本人と家族の関わる組織が中国大陸の組織や個人と協力することなどが制限されるとみられる。
王氏は、中国が「対話を歓迎する」としながらも台湾人の言論の自由に口を出しているとし、両岸関係に資しないと不快感を示した。
于氏は中央社の取材に対し、自身がしていることや中国共産党に反対して台湾を愛することなどが間違っていないのを知られてうれしいと述べた。