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馬英九前総統、中国の習近平氏と会談 「92年コンセンサス」堅持を表明/台湾

2024/04/10 19:56
シンガポールでの会談を前に握手を交わす中国の習近平国家主席(右)と馬英九総統(馬氏の肩書は2015年当時)
シンガポールでの会談を前に握手を交わす中国の習近平国家主席(右)と馬英九総統(馬氏の肩書は2015年当時)

(北京中央社)馬英九(ばえいきゅう)前総統は10日、北京の人民大会堂で中国の習近平国家主席と会談した。両氏が顔を合わせるのは2015年11月にシンガポールで会談して以来、2度目。馬氏は1992年に「一つの中国」を巡って両岸(台湾と中国)双方の窓口間で合意したとされる「92年コンセンサス」の堅持と「台湾独立反対」の立場を示した。

馬氏はあいさつで、最近の両岸情勢の緊張によって、台湾の多くの人々が不安を抱いていると言及。その上で中国の文豪、魯迅が残した「荒波を渡り尽くせば兄弟あり、会って笑えば恩讐は消える」との詩を引用し、両岸の中国人には争いを平和的に処理する十分な知恵があると述べた。

また、両岸は1992年に「それぞれが口頭で『海峡両岸はいずれも一つの中国原則を堅持する』と述べることで合意した」とした上で、両岸は今後、人民の福祉の確保を最大の目標とし、92年コンセンサスを堅持し、台湾独立に反対することで、共通点を求めつつ異なる点は残して問題を棚上げし、ウィンウィンの関係を共に築き、平和的発展を共に追い求めるべきだ」との考えを示した。

馬氏はかねてから、一つの中国を台湾と中国がそれぞれに解釈するとした「一中各表」の立場を堅持する姿勢を表明してきたが、これについては述べなかった。

馬氏は冒頭で、習氏を「習総書記」と呼んだ。あいさつの中では「中華民族」を誤って「中華民国」と述べて即座に訂正する場面もあった。15年の会談の際はお互い「先生」(さん)の呼称を用いていた。習氏は今回も一貫して馬氏を「先生」と呼んでいた。

先にあいさつした習氏は、馬氏は民族の心を持ち、「92年コンセンサス」を堅持し、台湾独立に反対しているなどとして「これを高く評価する」と表明。「両岸の同胞はいずれも中国人」であり、「解けないわだかまりも、話し合えない問題も、両者を分かつ勢力もない」と語った。また、両岸の制度は異なっても「両岸が同じ一つの国、一つの民族に属しているという客観的事実は変えられず、外部の干渉も家国がまとまる歴史的大事を阻止できない」と訴えた。

(呂佳蓉/編集:名切千絵)

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