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中国船事故 海巡署「巡視艇にぶつかってきた後に転覆」 当時の状況を説明/台湾

2024/02/22 18:05
中国船事故の状況を示す略図。赤は中国船、青は台湾・海巡署の巡視艇
中国船事故の状況を示す略図。赤は中国船、青は台湾・海巡署の巡視艇

(金門、台北、北京中央社)中国に近い離島・金門の周辺海域で起きた中国船の転覆事故で、海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)は22日、金門で記者会見を開き、追跡中に中国船が急旋回して巡視艇に衝突し、その衝撃によって転覆したと当時の状況を説明した。

事故は14日午後に発生。中国船に乗っていた4人のうち2人が死亡した。海巡署によれば、同署の巡視艇が海上パトロールを行っていたところ、台湾が設定する「制限水域」や「禁止水域」を中国船が越え、金門島の東側の小島・北碇付近を徘徊(はいかい)しているとの通報を受けた。通報後に急行したところ、中国船が依然として付近で操業しているのを発見し、取り締まりや退去の任務に取り掛かった。乗船検査の作業規定に従い、巡視艇の船長は警告灯や警報器を作動させ、すばやく中国船の方に向かうと、中国船は検査を回避しようと蛇行航行を開始。1分余りの追跡の後、中国船は急に右方向に旋回し、船尾から巡視艇の右側前方に衝突した。遠心力による反動で転覆したという。

巡視艇の乗組員は転覆後に即座に中国船に飛び移り、すぐに海面に浮かんできた2人を救助。3人目も間もなくして浮かんできたが、すでに意識を失っていた。先に救出した2人の話で、もう1人が行方不明であることも判明したが、船長はまず意識不明の1人を近くの漁港に運ぶことを決め、同時に航海士が周辺で任務に従事する巡視艇に支援を要請した。最後に見つかった1人は操舵室に閉じ込められており、救出時に意識はなかったものの、海巡署の職員は救命処置を続け、金門の港に搬送した。

また、海巡署職員がボディーカメラを装着していなかったことについて、同署の張忠竜副署長は22日、台北市内で開かれた記者会見で、取り締まりに当たった巡視艇は10トン以下の船艇であり、未装着は違反ではないと説明。証言や証拠によって検証は可能だとした。

事故を巡っては、中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室(国台弁)が21日夜、「命を軽視する台湾側の暴力的な法執行や故意に事実を隠す下劣なやり方を強く非難する」との声明を出し、遺族への謝罪を求めていた。また同日、国営の中国中央テレビは救助された乗組員のうち1人のインタビューをSNSで公開した。乗組員は「巡視艇に衝突されたから転覆した」などと話している。

(張已廉、林巧璉、頼于榛、呂佳蓉/編集:名切千絵)

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